平成から令和へ時代が変わりました。
昭和に比べれば平成という時代、戦争を経験せず平和に過ごすことができた時代であったと言えます。しかし激動の時代であったことも事実です。バブル景気からのバブル崩壊、リーマンショック、世界的なテロ、そして破壊的な自然災害と心穏やかに過ごせたわけではない時代でもありました。
2000年初頭から一般に普及し始めたインターネット通販、その恩恵を多大に受けたのは当社が扱うような地方の工芸品や名産品だと思います。それまで時間をかけ現地に足を運び購入することしか方法がなかった市場規模の小さな商品たちが世界中の方々に見てもらえ、そして物流網を駆使してお手元にお届けできる。
まさに日本が不景気でどん底だった時代、インターネット通販のおかげで私たちは救われました。そしてこの縁起物と呼ばれる日本文化のひとつである置物たちにも光が当たる時代となりました。
縁起物なんてものは、そもそも商売をされている方やよほど願掛けなどを熱心に行われている方々にしか需要が無かった極めて特異なアイテムでした。それが今ではちょっとしたブームにもなっており身近に縁起物を置いて頂ける時代となりました。本当にありがたいことですし嬉しいことです。
縁起物が身近になると新たな変化も起き始めました。コレクションアイテムとしての縁起物です。もともと九谷焼の縁起物(置物)は上絵技法や独特な立体絵付技法によりアート性が高くオブジェ的な要素も多分にもっておりますのでコレクションする楽しみがございます。そんなニーズの拡大とともに新たな招き猫が登場し始めます。
縁起物からキャラクターへ
良くも悪くも招き猫という中にある「猫であること」「手を挙げていること」というこの二つの要素を満たした新たな招き猫の創作が始まりました。限りなく本物の猫に近いもの、漫画のキャラクターのようにデフォルメされたものなどなど、まさに招き猫が百花繚乱(そんな言い方が正しいのか笑)な時代です。
そんな新たな招き猫カテゴリーの中でも私の心をつかんだのはこの作品です。まあ一目見てお判り頂けるかと思いますが巨大な腕が完全に漫画とかアニメの世界のアレです(笑)窯元てきには大きな腕で大きな運を掴み取るという意味合いを持たせているとのことですが私には「ドーーーンっ!!」というキャプションが付く2次元のイラストに思えてなりません。
まあ賛否両論、色々なご意見があるかと思いますが何故に?私がこの作品を好きななのか・・・最大の理由が目の色と形です。切れ長の青い目、もうなんてエキゾチックな雰囲気でしょうか。
招き猫として欲するというよりも、もはや新種のキャラクターのオブジェとして傍に置いておきたいと思える作品です。古典的な招き猫はどこか馴染み辛いけど・・・という方々に初めての陶磁器の置物としてお試し頂きたい!そう思える作品です。
九谷焼専門店 和座本舗
https://www.wazahonpo.jp/