招き猫愛を語る vol.003「九谷焼 招き猫 宝尽くし」


個性があることも招き猫の魅力

これもまた九谷焼の招き猫


九谷焼の招き猫、縁起物でよく見られる絵付け技法「盛(もり)」とは違う古典的な九谷焼の絵具を用い描かれた作品もまた独特な個性を持つ作品が多い。

立体的、デコラティブに仕上げられる盛技法の作品に対しこちらは色彩の組み合わせとデザインで表現する作品となります。緑・黄・紺青・紫・赤(朱)と九谷焼を象徴する九谷五彩と呼ばれる色彩で描かれる作品は器などで見られる色彩と同じ色合いでありながら置物に絵付けされると、それは新たな魅力が溢れ出てきます。

猫というモチーフに5色もの色合いを組み合わせ絵付けするのですから自然と華やかさ、言葉を換えれば派手さが生まれます。その派手さと猫の雰囲気が絶妙なバランスで組み合わさる時に妙にエキゾチックな雰囲気を醸すのです。

それは和の雰囲気ではなくアジアな薫りなのかもしれません。

アート性の高い作品が生まれます


盛技法は隙間を埋めてゆく法則性のある模様であるのに対し和絵具や洋絵具での描かれる作品は作品をキャンパスとし自由にデザインすることができます。ゆえに描き手のセンスが如実に現れるため実は描き手にとっては難易度の高い作風となります。

自由なデザインで描けるという点で言えば縁起物であったとしても、とてもアート性の高い作品が完成する場合があります。それは縁起物でもあり、オブジェでもあるためモダンな空間に飾る際に違和感がないのが魅力となります。

シンプルな空間になればなるほど古典的なデザインの特徴が際立つ傾向となるため近年の生活空間やオフィス空間では伝統的な縁起物は場違い感が出がちになるところですが、アート性の高い縁起物(簡略化され過ぎていない)であれば元来の縁起物として役割を損なうことなく空間に配することができます。


時代が変わっても愛され続ける理由

クリエイティブな職場で愛されてます

以前は飲食店さんや小売り業や卸業をされている方々に愛され続けてきた伝統的な縁起物たちですが近年ではクリエイティブなご職業の方々にも絶大なご支持を頂けるようになりました。小売りという形態が少し進化しネットショッピングを運営される方々、さらにはWEBデザイナーやディレクター、デザイナーの方々がご自身用にお求め頂く傾向がとても強いと感じています。

自分の感性や直感を信じる方々の心の寄りにどころになれていれば嬉しいです。毎回、縁起物のことについて書く時に思うのですが、縁起物というある意味、機能性のないものに決して安くはない対価をお支払い頂きお求めになられる皆様は心のどこかに余裕がある方々が多く、それ故にご購入後に運気が上がったというようなご報告が頂けるのは、そもそも運気の高い方々にお求め頂けたというのが本当のところだと思っています。

とはいえ当店の縁起物が何かしらの気分の高揚や大切な決断の一助、心の支え的な役割を果たせているのであればそれはそれでよしとしましょう。


選ばれる人に選ばれるということ

人の傍に居てこその縁起物


縁起物をお求めになるということは伝統を大切する心や良いものが欲しいという欲求に対し後悔しない買い物ができるという自分の軸がしっかりされている方々が多いのも事実。おかしな結論になりますが縁起物が何百年と愛され続けている理由は時の成功者や幸せを実感している方々にご支持頂けているということが一番の理由だと思います。

ご自身の能力の高さや良き縁者に恵まれているということ見えないところで努力を積まれていることをご自身で話すことなく縁起物のおかげであると人に話すことで妬まれない憎まれないという人徳を得てきているのだと思います。

かくありたい。