招き猫愛を語る vol.002「九谷焼 両手招き猫 花づくし盛」


色々な説があるのも招き猫の魅力

両手を挙げていることの賛否両論


本来、招き猫は右手もしくは左手のどちらかを挙げているものである。そしてその挙げている手によってそれぞれの意味合いがあると言われています。招き猫の産地や地域、土地柄によってその意味合いは少しづつ違いがありますが九谷焼の招き猫の場合は右手は「金運」左手は「招縁」と言われています。特に右手を挙げている方(金運)を招く要素が強いとされています。

近年になって、じゃあ両手を挙げていればどちらも招けるという欲張りな招き猫が登場してきました。この両手挙げの招き猫ですが人によっては「お手上げ」を連想するのであまり縁起が良くないと言われる方もいらっしゃいます。言われてみると確かに・・・とも思ってしまいますが実はよくよく見てみると手の平の部分、いわゆる肉球の部分を見てみるとギュッと握りしめているようにみえませんか?

そうなんです。手の平を開いた状態で万歳しているというよりも拳を握りしめて振り上げている感じなのです。なのでお手上げというよりは「おぉぉぉぉぉ!!」という感じでしょうか。もちろんこの捉え方には人それぞれの捉え方があると思いますが私、個人的には励まして鼓舞してくれていると感じます。

まあ挙げている手の話を書き出すときりががないので手の話は、また別の機会に・・・

近年、稀に見る人気招き猫


通常、招き猫を選ばれる皆様がお選びになられる傾向を見てみると、やはりスタンダードな招き猫をお選びになられる場合が圧倒的に多いです。もちろん当店のちび招き猫シリーズのような苺柄やスイカ柄といったキワモノ系も人気ではありますがそれは、あのシリーズだからという理由だからが色濃いです。

そんな一般的な招き猫が選ばれることが多い中で近年この両手上げ招き猫 花づくしをお選び頂くことの多さに驚きを隠せません(まあ隠す必要もないですが)特徴的なのは贈り物というよりもご自身へのご褒美的な意味合いでお求めになられている場合が多いように感じます。


確かにちょっとふっくらした感じと両手を挙げている姿が妙にキャラクター感が強いのでモフモフとしたぬいぐるみではありませんが、なんとなく傍にいて欲しい子なのかもしれません。嬉しいのは九谷焼の伝統的な置物の絵付技法である盛(もり)技法で描かれている作品が受け入れてもらえているということです。

しかも以前の盛技法とは違いやや現代風にアレンジされたデザインをご支持頂けていることが何よりも嬉しいです。縁起物はお守りとしての流行やブームはあれどデザイン面での流行りすたりがあまりないアイテムです。

そんな中でこの「花づくし」と呼ばれる新たな盛技法のデザインが選ばれているということに、まだまだ縁起物でもデザインによっては愛されキャラが創造できることの自信を持つことができたと思います。


こまだまだ、これからも愛されキャラとなれるような招き猫を探し続けていきたいと思います。ただこの作品、窯元曰く職人泣かせの作品であるとも言っていました。今までの盛技法よりも余白を多くするため、その余白に汚れなどがあってはいけないので素地(白生地)選びに気を使うそうです。まさに厳選されたボディのみがこの絵付けを施されるということですね。

九谷焼専門店 和座本舗
https://www.wazahonpo.jp/

九谷焼 両手招き猫 花づくし盛