九谷焼の五月人形 人気はコンパクトな兜です。今どきのおしゃれでモダンな季節のお飾りとは?


ひな祭りが終わると急に春の訪れを感じる今日この頃です。

九谷焼の五月人形 人気は兜です。


本当にありがたいお話なのですが、ここ10年くらい3月あたりから九谷焼の兜や武者人形が品薄となるくらい多くの方々にお求め頂けるようになりました。それ以前はやはり本格的なお人形屋さんが扱われている武者人形が圧倒的なシェアがあった季節人形のシーンに少しだけ九谷焼も加えて頂けるようになりました。

九谷焼の五月人形が選ばれるようになった背景


まず一番大きいのは住宅事情なのは間違いありません。特に本格的な武者人形を飾られる場合、そのスペースを確保する場所として玄関やリビングの一角、もしくは和室の一角となります。一番目にしやすいリビングですが最近ではキッチンとの共有部分が多いため料理する際の匂いや油汚れが付着する可能性から敬遠される傾向のようです。もちろんお子様が小さい場合も接触や転倒の危険性も出てきます。

和室の場合、床の前の付近となりますが近年の住宅における和室の意味合いが昔とは違い来客スペースというよりも和の空間を残しておきたいという想いで作られている場合が多く本格的な武者人形を飾った場合スペース的に窮屈な感じなると思われます。

となると玄関先になりますが玄関先の用途を考えた場合、余分なスペースを作るよりも収納力を重視した物件も玄関先の空間については、ゆとりのある玄関と機能的な玄関の2極化を感じます。

いずれにしても本格的な武者人形を飾るスペースを現代の生活空間の中で確保することがかなり難しくなってきた背景がコンパクトな九谷焼の雛人形をお選び頂く一番の理由だと考えても間違いないと思います。

伝統工芸人気と素敵な大人感性の高まり


先に挙げたお飾りするスペースの確保の難しさという実用面での背景とは別に九谷焼の五月人形や兜が選ばれる理由が存在すると考えています。当たり前のことになりますがお飾りするスペースの時代的な変化は本格的な人形業界も既に対応済で各社ともコンパクトなサイズの五月人形を用意されています。それでも九谷焼の五月人形がご支持されるようになったのは近年の日本の伝統工芸人気、それから個人の方々の空間演出のスキルが高まったおかげだと感じます。

日本の四季に合わせての空間の移ろい、それは世界を見ても特別な感じだと思います。明確な季節がある日本ならではの文化をSNSなどの発達により個人レベルで発信できるようになった近年、美しい日本という演出を創作できる感性の高い大人の方々が季節のアイテムとしてお求めいただけているということです。

お子様の健康と成長を願いお揃えになる五月人形とは違う大人が大人のための季節アイテムとしても注目頂けるようになったことは本当に嬉しいことです。皆様の発信により海外の方々からも日本の桃の節句や端午の節句という文化を知っていただく機会となり海外からお求め頂くケースも増えております。



兄弟へ


まあこれは私の個人的な家のお話となりますが我が家は二つ離れた男兄弟がいます。長男の初節句の際には本格的な武者人形を用意してもらいました。ただ次男の時に新たに武者人形を用意するは収納スペース的にも厳しく家業が九谷焼なので九谷焼の兜を用意することにしました。この選択は個人的に正解でした。武者人形と九谷焼の兜は同じ意味合いさえあれ別物であることから次男は自分のものという認識があり、あまり兄の武者人形を羨ましがりませんでした。

そして自分で飾ってみて気づいたのですがサイズ的にはリビングのテレビボードの上に飾ることができます。またリビングにガラス扉付の書棚があるので息子が小さい間はそこに飾っていました。冒頭に書いたリビングに飾る際のキッチンからの匂いと油飛びに関しても陶磁器なのでふき取るだけというのも新たな気づきでした。

最後に本格的な武者人形にしても九谷焼の兜にしても飾る仕事は私の仕事になっています。箱から出し綺麗に並べ節句が終われば難解なパズルのように元の収納に戻す。九谷焼の兜はこの収納の部分では圧倒的に手間がかかりません。緩衝材に包み箱にポンです。息子たちが成長し家を巣立つ頃には大きな武者人形の出番はなくなるかもしれません。ただ端午の季節のお飾りとして九谷焼の兜は飾りたいなと今は思っています。

九谷焼専門店 和座本舗
https://www.wazahonpo.jp/