石川県立九谷焼技術研修所で先生してきました。



職員室って大人になっても苦手なものです。

先生してきました。

先日、石川県立九谷焼技術研修所という九谷焼の技術を学ぶ学校にて先生をしてきました。とは言え、私、陶芸家ではなく茶碗屋さんですので教えることは焼き物の流通に関してになります。

この私の授業、かれこれ10年近く続いてます。

年に1回だけの授業ですが時間が3時間となかなかの長丁場・・・
九谷焼業界の組織論や流通について、さらにインターネットを活用した情報発信やブランディングに至るまで、正直3時間話し続けると体力をドッと消費します(笑)


実はこの学校、研修所と名前にありますように、専門学校的な要素が強いので生徒さんの年代層の幅が広く高校を卒業したての子から会社を退職された60歳以上の方までと、老若男女混在する、なかなか異色なクラス編成です。

私が先生をするにあたり高校を卒業したばかりの10代の生徒さんには、なんとなく年齢的にも先生として立ち振る舞えますが、さすがに人生の大先輩に講釈するのは気がひけるのです。10年以上やらせて頂いていても慣れないものです(笑)だいたい大先輩方は最前方中央の席に着座されております。

まあそこは茶碗屋の息子に生まれて44年、今の仕事に就いて20年近く携わった経験値での話をさせて頂きますと、ふむふむと真剣に聞いて頂けるのが本当に先生冥利に尽きるところです。

陶芸家という職業

私の家系も祖父は九谷焼の絵付師でしたので陶芸家の家系(私で三代目)であるのは間違いありません。たまたま父の代で商いの道に進んだため今ではモノ作りをすることは、ほとんどありませんがいつかは私も祖父の意匠を引き継ぎ、陶芸家をしてみたいと思ってます。

ただ色んな職業がありますが「陶芸家」という仕事は側で見ているかぎり決して楽な仕事ではなく、むしろイバラの道のような気もします。カテゴリー的には音楽家とか芸術家といった夢追い人てきなカテゴリーに分類されるのは間違いありません。

- 焼き物を作り、販売する、販売したお金で生活する -

シンプルでありながら実に難しいことだと思います。

そんな道を志す、生徒さんたちに3時間かけて色々な話をしますが最後にいつも伝えるのは

「根拠のない自信だけは持ち続けて下さい」ということです。

いわゆる自分を信じることであり、自分の才能に惚れ込むこと、、、自画自賛というやつです。自分のことを大好きにならないと結局、続けられない仕事だと思います。

普段、売り上げを作り会社を守ることで毎日が精一杯な僕からすると、これから卒業し陶芸家を目指す生徒さんたちは本当に羨ましく思います。

陶芸家で成功する

本当に難しいことかもしれませんが、でもスポーツ選手で成功するよりも可能性が十分ある世界だと思います。夢を持てる仕事、それが陶芸家なのかもしれません。夢を追うことは何かを犠牲にすることになるかもしれません。それでも一度目指そうと思ったのなら納得がいくまで挑戦し続けて欲しいと思います。

がんばれ!

九谷焼専門店 和座本舗
https://www.wazahonpo.jp/