招き猫愛を語る vol.001「九谷焼 お願い猫 金彩」


九谷焼の招き猫にも亜種がいる

属性的には招き猫分類ではある

作品名:お願い猫 金彩

まあ一見しての通りでございます(笑)通常、右手か左手で招いているはずの招き猫の手が、見事に胸前で合わさり絶妙な上目遣いとともにお願いする姿がいじらしいというか愛嬌があるというか、置物なのに人懐っこい感じが滲み出る作品です。このお願いしている姿が誕生したのは、まさに近年のことだと思います。

ただ、このお願いする猫のプライドの為に説明を補足させて頂くとすれば、あの楕円形のボールを抱えぶつかり合うスポーツで活躍した日本人の方のルーティンよりは先にお願いする姿で誕生していたのは間違いありません。ただし、この作品においては、かなりあのポーズをオマージュしていることは間違いないかと・・・
ちなみに側面から見るとこんな感じです。


なんとなくあれですね・・・
まあ見事な猫背ですよ。ずんぐりした体が丸々ことでより猫背映えする姿です。もちろん猫ですので猫背であることになんの不思議もないのですが通常の招き猫に比べると、やや前のめり気味で願い事への本気度が表現されている気がします。

フォルムのことばかり書いてしまいましたので、この辺でデザインについてお話します。この猫ちゃんが纏っている「金彩(きんさい)」と呼ばれる模様、これもここ数年に誕生した新しいデザインです。もちろんヒョウ柄やトラ柄などに似ているのでオリジナル性が高いわけではありませんが、九谷焼の置物においては珍しく写実的なデザインかと思います。伝統的な九谷焼の置物のデザインはそこそこドギツイ感がありますが、このデザインの誕生によって九谷焼の置物への関心とは別に動物の置物という軽い感じのカテゴリーでの選択肢に加わることができたのも事実です。


この新作を通してお伝えしたいのは、伝統的な置物でさえ少しづつ進化しているということを知っていただければ幸いです。ということです。色々とお話しましたが、結論から言えばこの猫の顔を眺めていると自然とニヤニヤ笑えるのが面白くてご紹介させて頂いている次第です。ほんと愛嬌にあふれた表情のお願い猫ちゃん、長くお傍で可愛がって頂ければ嬉しいです。

九谷焼専門店 和座本舗
http://www.wazahonpo.jp/