九谷焼を販売しながら感じた違和感について

九谷焼 夫婦湯呑 金箔花文 虚空蔵窯

弊社がネット販売を始めたのは2000年3月、もう10数年経ちました。

バブル崩壊後の予算削減の影響

ネット販売を始めた最大の理由は弊社の業績不振を打開するためという目的でした。ネット販売を始める以前、弊社の一番の大きな取引先は大手上場企業様のギフト注文が主な注文でしたが、いわゆるバブル崩壊とともに法人様のギフトに対する予算の縮小とともに弊社の売り上げも必然的に下がっていったわけです。当初は法人様の需要開拓を再構築すべく約1年間、それまでに取引のあった会社様を訪ね色々なご提案をさせて頂こうと動きましたが6割の会社様はアポイントが取れない状況、4割の会社様もお会いしたとしても「今は不景気だからね、また機会があれば頼むよ」との返事。残念ながらなす術がないことを実感した次第です。

今の仕事に携わってから感じた違和感

そして、ずっと違和感を感じていたことがその当時の法人様のご注文内容が実に無機質なご注文だったこと。確かに記念品だとか御礼の為のご注文なのだが贈る先様を想ったとは思えない作品を選ばれているということ、もちろん予算ありきの話ではあるが九谷焼をご紹介させて頂く身として、それを選んではいけないような作品をお選びになられていたことに納得がいかず、助言させて頂くこともありましたが、ほとんどの場合は「あ、それでいいよ上司に許可とってあるから」というご返答が返ってきました。もちろん、弊社にとってはどんなご注文であれ有難いご注文であることは間違いないのですが、今思えば九谷焼を専門に扱う者としてのプロ意識を疑われるのも否定できない対応でした。

販売させて頂く側からの助言を聞いて頂ける喜び

ネット販売を始め本当に幸せなのは法人のお客様、個人のお客様に関わらず本当に大切な贈り物を弊社でお選び頂き贈り先様に本当に喜んで頂けたとのメールやお電話を頂けることです。どんな作品でもお客様がお選び頂く作品に間違いはありません、でもお店側が選んで欲しい作品を示すことができるのが10数年前の販売方法とは違うことです。安心してお選び頂ける作品をちゃんとご用意させて頂くことが私達の喜びであり、この仕事に従事することの意味だと実感しています。

一昔前は大きな花瓶が法人様のギフトでは主流でしたが今は少し贅沢な日常使いのできる写真のような作品が主流になりました。

九谷焼専門店 和座本舗
http://www.wazahonpo.jp/